関東への移住を考えはじめたとき、「費用面が心配」という声をよく耳にします。実は、国や都道府県・市区町村が用意する移住支援制度を活用することで、引越し費用や住宅取得費用の一部を補助してもらえる場合があります。この記事では、関東の移住支援制度一覧を都県別にわかりやすく整理し、申請の流れや注意点まで丁寧にご紹介します。
関東で使える移住支援制度とは?まず知っておきたい基本のポイント

移住支援制度には、国・都道府県・市区町村と、それぞれの段階で異なる制度が用意されています。まずは制度の種類と仕組みの違いを理解しておくと、自分に合った支援をスムーズに見つけられます。
移住支援制度の種類(補助金・助成金・支援金の違い)
移住に関連する制度は、大きく「補助金」「助成金」「支援金」の3種類に分かれます。似たような言葉に見えますが、受け取り方や条件に違いがあります。
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 補助金 | 審査があり、採択されると受給できる | 住宅取得、リフォーム費用など |
| 助成金 | 条件を満たせば原則受給できる | 引越し費用、子育て支援など |
| 支援金 | 移住促進を目的とした給付金 | 生活費補助、就業支援など |
補助金は予算に上限があるため、申請が早い順に締め切られるケースも少なくありません。一方、助成金は要件さえ満たせば受給できる可能性が高く、比較的利用しやすい制度です。支援金は特定の地域への移住を促すために設けられており、移住先の市区町村が独自に給付するものが多くあります。
どの制度も「申請しなければ受け取れない」という点が共通しています。制度の存在を知らずに移住してしまうと、せっかくの支援を受け損なうことになります。まずは自分が利用できる制度の種類を整理し、計画的に動くことが大切です。
国の制度と都道府県・市区町村の制度の違い
移住支援制度は、「国が設けている制度」と「都道府県・市区町村が独自に設けている制度」の2層構造になっています。
国の代表的な制度としては、「移住支援金制度」(地方創生推進交付金を活用した制度)があります。東京圏から地方へ移住し、対象の求人に就職した場合などに最大100万円が給付されます(内閣府 地方創生 移住支援事業)。
都道府県・市区町村の制度は、国の制度に上乗せする形で独自の補助を行うものが多く、地域によって内容が大きく異なります。たとえば、子育て世帯向けの加算や、空き家活用への助成など、地域の課題に応じた支援が用意されています。
国の制度を「ベース」として把握したうえで、移住先の都道府県・市区町村の制度を組み合わせることで、より大きな支援を受けられます。関東の移住支援制度一覧を確認する際は、この2層構造を意識しながら調べると整理しやすいです。
関東各都県の移住支援制度一覧

関東6県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川)には、それぞれ特色ある移住支援制度が用意されています。以下では都県ごとの主な制度をご紹介します。なお、制度の内容は年度によって変更される場合があるため、最新情報は各都県の公式サイトでご確認ください。
茨城県の主な移住支援制度
茨城県は、首都圏からのアクセスの良さと豊かな自然環境を強みに、積極的な移住促進施策を展開しています。
主な制度として、「いばらき移住支援金」があります。東京23区在住者(または東京圏在住で23区勤務者)が茨城県内の対象市町村へ移住し、マッチングサイト掲載の求人に就職するか、テレワーク等で業務を継続する場合に支援金が給付されます。
| 対象 | 支援金額(上限) |
|---|---|
| 単身 | 60万円 |
| 世帯(2人以上) | 100万円 |
| 18歳未満の子1人あたり加算 | +30万円 |
また、「茨城県移住コンシェルジュ」による個別相談サービスも充実しており、移住前の不安を専門スタッフに相談できます。詳細は茨城県移住ポータルサイト「いばらき移住」でご確認ください。
栃木県の主な移住支援制度
栃木県は豊かな自然と観光地を有し、近年は移住・定住支援に力を入れています。
主な制度として「とちぎ移住支援金」があります。東京圏から栃木県内の対象市町へ移住し、一定の要件(就業・テレワーク等)を満たした場合に給付されます。
| 対象 | 支援金額(上限) |
|---|---|
| 単身 | 60万円 |
| 世帯(2人以上) | 100万円 |
| 18歳未満の子1人あたり加算 | +30万円 |
さらに、市町ごとに独自の支援制度を設けているところも多く、たとえば那須塩原市では移住者向けの家賃補助や住宅取得補助を行っています。移住相談窓口として「とちぎ暮らし・しごと支援センター」(東京・有楽町)も利用できます。詳細は栃木県 移住・定住ポータルサイト「住みます!とちぎ」でご確認ください。
群馬県の主な移住支援制度
群馬県は「オンラインでの移住相談」や「移住体験ツアー」など、移住前のサポートが充実している県として知られています。
主な制度として「ぐんま移住支援金」があります。東京圏からの移住者が対象市町村へ転入し、就業やテレワーク等の要件を満たした場合に給付されます。
| 対象 | 支援金額(上限) |
|---|---|
| 単身 | 60万円 |
| 世帯(2人以上) | 100万円 |
| 18歳未満の子1人あたり加算 | +30万円 |
加えて、群馬県では「空き家バンク」を活用した住宅取得支援も実施しており、古民家や空き家を購入・リフォームする際の補助制度を設けている市町村もあります。詳細は群馬県移住ポータルサイト「ぐんまな暮らし」でご確認ください。
埼玉県の主な移住支援制度
埼玉県は、東京都心へのアクセスの良さから特に子育て世帯の移住先として人気があります。
「埼玉県移住支援金」では、東京23区在住者等が埼玉県内の対象市町村へ移住し、就業・テレワーク等の要件を満たした場合に支援金が給付されます。
| 対象 | 支援金額(上限) |
|---|---|
| 単身 | 60万円 |
| 世帯(2人以上) | 100万円 |
| 18歳未満の子1人あたり加算 | +30万円 |
埼玉県内の市町村では、さらに独自の上乗せ補助を設けているところもあります。たとえば秩父地域や比企郡などでは、住宅取得費用への助成や子育て支援補助を組み合わせることが可能です。詳細は埼玉県移住・定住ポータルサイト「えんまん埼玉」でご確認ください。
千葉県の主な移住支援制度
千葉県は、海・山・農村など多様な自然環境を持ち、テレワーク移住の受け皿として注目されています。
「千葉県移住支援金」は、東京圏からの移住者が対象市町村へ転入し、就業・テレワーク等の要件を満たした場合に給付されます。
| 対象 | 支援金額(上限) |
|---|---|
| 単身 | 60万円 |
| 世帯(2人以上) | 100万円 |
| 18歳未満の子1人あたり加算 | +30万円 |
千葉県では特に南房総市・いすみ市・館山市などで独自の移住促進策を充実させており、農業体験や漁業体験と組み合わせた「お試し移住」プログラムを設けている自治体もあります。住宅取得に関する補助制度は市町村ごとに異なるため、候補地を絞り込んだうえで個別に確認することをおすすめします。詳細は千葉県移住・定住促進ポータルサイト「ちばへの移住」でご確認ください。
神奈川県の主な移住支援制度
神奈川県は、横浜・川崎などの都市部から丹沢・三浦半島などの自然豊かなエリアまで多彩な移住先があります。
「かながわ移住支援金」は、東京圏からの移住者が対象市町村へ転入し、就業・テレワーク等の要件を満たした場合に給付されます。
| 対象 | 支援金額(上限) |
|---|---|
| 単身 | 60万円 |
| 世帯(2人以上) | 100万円 |
| 18歳未満の子1人あたり加算 | +30万円 |
神奈川県では、特に箱根町・山北町・清川村などの山間部・農村エリアへの移住促進が盛んです。県内市町村の中には、住宅取得補助や空き家リフォーム補助を設けているところもあります。詳細は神奈川県移住・定住ポータルサイト「かながわ暮らし」でご確認ください。
住宅購入・新築で使える補助金・助成金をチェックする方法

移住に伴って住宅を購入・新築する場合、移住支援金以外にも住宅取得に特化した補助金・助成金を活用できる場合があります。効率よく制度を探すためのポイントをご紹介します。
制度を調べる前に確認すべき条件(年齢・家族構成・転入元など)
補助金・助成金には、それぞれ利用できる「要件」が定められています。制度を調べる前に、以下の項目を整理しておくと検索がスムーズです。
- 年齢:子育て世帯向け(40歳未満など)・若者世帯向けなど年齢制限がある制度が多い
- 家族構成:単身・夫婦・子ありなど、世帯の状況によって給付額が変わる
- 転入元:東京23区からの移住を対象とする制度と、東京圏全体(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城の一部)を対象とする制度がある
- 居住年数:転入前に一定期間(1年以上など)対象地域に住んでいたことが条件となる場合がある
- 就業状況:就職・テレワーク・起業など、働き方によって対象制度が異なる
- 住宅の種類:新築・中古・リフォームなど、取得する住宅の種別によって適用制度が変わる
これらを事前に整理しておくことで、「条件に合わない制度を調べるムダ」を省けます。また、住宅購入を伴う場合は、国の住宅取得支援制度(住宅ローン減税・こどもエコすまい支援事業など)も並行して確認しておくと、より多くの支援を受けられる可能性があります。
国・都道府県・市区町村の制度を組み合わせて活用する方法
移住支援制度は、国・都道府県・市区町村の3層を組み合わせることで、受け取れる支援の総額を大きくできます。具体的な活用の流れは次のとおりです。
ステップ1:国の制度を確認する
→ 移住支援金(最大100万円+子ども加算)、住宅ローン減税、こどもエコすまい支援事業など
ステップ2:都道府県の制度を確認する
→ 都道府県独自の移住支援金上乗せ、UIJターン促進補助など
ステップ3:市区町村の制度を確認する
→ 住宅取得補助、空き家購入・リフォーム補助、子育て支援加算など
各自治体の公式サイトや、国土交通省「スマートウェルネス住宅等推進事業」、移住・交流推進機構(JOIN)のポータルサイトを活用すると、制度を横断的に調べやすいです。
「どれが使えるかわからない」という場合は、移住先候補の市区町村の移住相談窓口に直接問い合わせるのが最も確実です。相談員が条件に合う制度をまとめて案内してくれることが多いです。
移住支援制度を申請するときの流れと注意点

制度の存在を知っても、申請のタイミングや手順を誤ると支援を受けられなくなることがあります。スムーズに申請を進めるための流れと、よくある失敗パターンを確認しておきましょう。
申請のタイミングを間違えないためのポイント
移住支援制度の申請で最も多いトラブルは、「転入後に申請しようと思っていたら、締切が過ぎていた」というケースです。制度によっては転入前の事前申請が必要なものや、転入から一定期間以内(例:転入後3か月以内)に申請しなければならないものがあります。
申請タイミングを守るために押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 転入前に制度の存在を確認する:移住先候補が決まった段階で、その市区町村の移住支援制度を調べる
- 申請期限・募集期間を確認する:年度末に予算が尽きて締め切られる制度も多いため、早めに動く
- 必要書類を事前に用意する:住民票・雇用証明・住宅売買契約書など、取得に時間がかかる書類がある
- 転入届と同時または直後に申請窓口へ相談する:転入手続きのタイミングで担当窓口に訪問するのが最もスムーズ
「まだ先の話だから」と後回しにせず、移住計画が具体化した段階で制度の確認と申請準備を始めることが、支援を確実に受け取る近道です。
よくある申請ミスと対策
移住支援制度の申請でよくある失敗事例と、その対策をまとめました。事前に把握しておくことで、同じミスを避けられます。
よくある申請ミス一覧
| ミスの内容 | 対策 |
|---|---|
| 転入前の居住期間が要件を満たしていなかった | 申請前に「転入元での居住年数」の要件を必ず確認する |
| 就業先が対象求人リストに掲載されていなかった | 就職先を決める前にマッチングサイトで求人を確認する |
| 申請書類が不足していた | 事前に担当窓口でチェックリストをもらう |
| 予算上限に達して受付終了していた | 年度初め(4〜5月頃)に早めに申請する |
| 住宅購入後に制度が変更・廃止されていた | 契約前に最新情報を必ず確認する |
また、制度によっては「住宅を取得してから申請」ではなく、「住宅取得前に申請・承認を受けてから購入手続きに進む」という順番が必要なケースもあります。住宅購入と移住支援の申請を同時並行で進める場合は、不動産会社や建築会社の担当者にも制度活用の意向を伝え、スケジュールを共有しておくと安心です。
まとめ

この記事では、関東の移住支援制度一覧として茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川の各県の主な制度をご紹介しました。
移住支援制度は、国の移住支援金を基本に、都道府県・市区町村の独自制度を組み合わせることで、最大100万円以上の支援を受けられる可能性があります。制度を最大限に活用するためには、移住前に制度の種類と申請タイミングを確認し、必要書類を早めに準備することが大切です。
住宅取得を伴う移住の場合は、移住支援金に加えて住宅取得補助や子育て支援加算なども組み合わせて検討してみてください。ぜひ各都県の公式ポータルサイトや移住相談窓口を活用し、ご自身に合った制度を見つけてみてください。
関東の移住支援制度一覧についてよくある質問

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Q1. 関東への移住で使える国の支援金はいくらですか?
- 国の移住支援金制度では、単身で最大60万円、世帯(2人以上)で最大100万円が給付されます。さらに、18歳未満の子どもが1人いるごとに30万円が加算されます。ただし、東京23区(在住または勤務)からの移住であることや、対象市町村・対象求人などの要件を満たす必要があります。
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Q2. 関東6県はすべて移住支援金の対象ですか?
- 茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川の6県はいずれも移住支援金制度を設けていますが、対象となる市区町村は都県ごと・年度ごとに異なります。東京都心に近い市区町村は対象外となる場合もあるため、移住先候補が決まったら各都県の公式サイトで対象地域を必ず確認してください。
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Q3. テレワーク勤務でも移住支援金を受け取れますか?
- はい、受け取れる場合があります。現在はテレワーク(リモートワーク)による業務継続も支援金の対象となっていることが多く、東京圏の企業に勤めながら関東郊外に移住する場合でも申請できるケースがあります。ただし、就業先や業務形態に関する要件があるため、事前に移住先の担当窓口で確認することをおすすめします。
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Q4. 住宅購入と移住支援金は同時に申請できますか?
- 制度によって申請のタイミングや順序が異なります。移住支援金は転入後に申請するものが多い一方、住宅取得補助は購入前の事前申請が必要な場合もあります。それぞれの制度の申請フローを事前に確認し、スケジュールを整理したうえで進めることが重要です。不動産会社の担当者に相談しながら進めると安心です。
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Q5. 移住支援制度は毎年同じ内容ですか?
- いいえ、移住支援制度は年度ごとに内容・金額・対象地域が変更されることがあります。予算の上限に達した時点で受付が終了するケースもあるため、制度の最新情報は必ず各都道府県・市区町村の公式サイトで確認するようにしてください。移住を計画している場合は、年度が始まる4月以降に最新情報をチェックすることをおすすめします。



